平成25年11月05日 文教科学委員会

○橋本聖子君 自民党の橋本聖子でございます。
 久しぶりに一般質疑をさせていただく機会をいただきました。本当にありがとうございます。
 まず最初に、石井先生からもお話がありましたけれども、日本シリーズ、野球が大変盛り上がったと思います。自慢ではあるんですけれども、田中将大選手は私の高校の後輩でありまして、駒大苫小牧の卒業生ということで大変地元としても盛り上がりました。特に今回、東北楽天の優勝ということで、被災地の子供たちを始め、このスポーツのすばらしさというものに夢と勇気と希望を抱いていただけたのはないかと思います。
 改めて、やはりこのスポーツの持つそういった潜在力といいますか、そういうものをいかにこれから国として、国家戦略として引き出していくことができるかということに大きな期待が持たれているのではないかなと思っておりますので、そういった観点からも今日は質問させていただきたいと思います。
 スポーツの関係の話が中心となりますので、石井先生と少し重なる点があるのですけれども、改めて大臣の考え方というものを是非お聞かせいただきながら質問をさせていただきたいと思います。
 まず、九月七日、アルゼンチン・ブエノスアイレスでの二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを勝ち取ることができましたこと、オールジャパン体制で臨みまして、今年一月からは、特に下村大臣には世界各国を回っていただきました。八月には長い間、世界陸上、モスクワにも出向いていただいたり九月七日のブエノスアイレスでは、先頭に立って招致活動、ロビー活動をやっていただいたおかげであります。
 大変な大きな感動をあの場所で得させていただいたわけですけれども、私自身としては、オリンピック委員会の強化本部長という立場であったため、ロゲ会長が東京と示していただいたボードを見たときの感動、感激というのは約十分ほどしかもちませんでした。我に返りますと、今世界第三位をこれから目指していかなければいけない二〇二〇年のオリンピックの目標、これは金メダルの数が二十五から三十個獲得しなければいけないということであります。
 前回のロンドンのオリンピックでは金メダルが七つで総数三十八個ということで、今まで過去最高の日本選手団はメダルを獲得することができたのですけれども、この七個の金メダルの数を三十にするということは大変な、予算も必要でありますし、これからスポーツというものがスポーツの枠を超えた社会貢献をいかにしていくことができるかということをしっかりと形として示していかなければ到達のできない数字だと思っております。そのことについて、これから私たちスポーツ界もある意味での意識改革をしっかりとしていかなければいけないんだと身を引き締めているところであります。
 一九六四年、東京オリンピック・パラリンピックが開催をされましてちょうど今年で四十九年、来年はオリンピック開催から五十年という節目であります。石井先生も私もオリンピック年生まれでありますから、特にオリンピックというものに対しての思い入れが大変強いところであります。東京オリンピックは、私は生まれた直後ですから、もちろん後の歴史として勉強しただけにすぎないのですけれども、新幹線が開通したり、羽田空港の開発、あらゆる面において日本が高度成長を遂げていきました。そして、その四年後の一九六八年に世界第二位のGDPを誇ったという経済大国にのし上がりました。そういったことが、当時は、今日より明日が良くなるという、こういった今も無形のレガシーとなっているわけであります。
 今回は、二〇二〇年は右肩上がりの経済成長をということにはならないのだと思います。やはりこの二〇二〇年というオリンピックを目標として、いかに心豊かに、持続可能な社会を築いていくことができるかということが重要であります。その中でも、日本が再び世界から尊敬をされる、そういった国づくりというものに邁進をしていかなければいけない。言わば、この七年間というのはゴールではなくて、二〇二〇年以降の日本が、二十一世紀の生き方を示していくことができるかできないかということの、言わば七年間というのはプレゼンテーション期間ではないかなというふうに位置付けをしているわけであります。
 これからこの二〇二〇年東京大会、東日本大震災から復興を遂げた日本ということはもちろんでありますけれども、今後に向けて、どのような二〇二〇年オリンピック・パラリンピックというのが新たなレガシーを残すことができるかという、そういった一つ壮大なスケールにはなるかというふうに思いますけれども、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックをどのような位置付けとして、そしてこれからの日本の生き方をどう示していくのかという大臣のお考えをまずお聞かせいただきたいと思います。
 
 
○国務大臣(下村博文君) 特に、橋本委員はJOCの強化本部長でもございますので、是非二〇二〇年に向けたメダル獲得のまさに責任者として先頭に立って御尽力をお願い申し上げたいと思います。
 オリンピックはメダルだけに意義があるわけではありませんが、しかし、あのロンドン・オリンピックのときも過去最高の三十八のメダルを取ったからこそ、銀座の凱旋のときは四日前の告知にもかかわらず五十万人以上の方々が集まったというのは、それだけやはりスポーツによる勇気と感動、メダリストによって与えてくれたという国民の率直なそういう思いがあったのではないかというふうに思います。
 文部科学省の概算要求の中で、取りあえずメダル獲得については、今御指摘がありましたが、金メダルを二十五から三十個、トータルで七十個から八十個というふうに想定をしているんですが、実際はこれはJOCやあるいは組織委員会等で検討してつくられるものだというふうに思いますが、ただ、金メダルの二十五から三十というのも、東京オリンピック、一九六四年のときの金メダルが十六個で、そのときから比べると競技種目が倍になりましたから、単純でいっても決して難しくはないのではないかというふうに思っておりますし、そのために、私もオリンピック・パラリンピック担当大臣としてバックアップをさせていただきたいと思いますが、是非JOCの強化本部長として御努力をお願い申し上げたいと思います。
 今御指摘がありましたが、オリンピック・パラリンピックを単なるスポーツの祭典、また単なる一過性の行事にするということではなくて、また東京一極集中を加速させるということではなくて、日本全体を元気にする、日本全体を更に発展をして新しい日本をつくっていく、そういう目標としてこれから掲げていく必要があるというふうに思います。
 特に、二〇二〇年ということで決まったことによって、東日本大震災や福島原子力発電所事故等を完全にクリアをして復旧復興を間違いなく二〇二〇年に遂げたと、それを世界の方々に東北に行って見ていただけるようなことを政府が先頭に立って対応していかなければならないというふうに思います。
 これから、グローバル化や少子高齢化といった課題に対しても成功モデルを先んじてつくり上げ、エネルギー問題やあるいは環境問題等、課題解決先進国として世界に発信するということも同時にしていく必要があるというふうに思いますし、我が国のプレゼンスを一層高め、日本を再生する起爆剤として活用すべきだというふうに思います。
 さらに、橋本委員が強化本部長ということで是非お願いしたいんですが、私も世界いろんなところに行ったときに、日本の文部科学大臣だからということで、日本はスポーツをただのスポーツに終わらせていないと。例えば、武術も武道、剣道、柔道、あるいは華道、茶道というように、スポーツを同時に人の生きる道、人間としてもいかにその一流として生きるかと、そういう精神性の高いところまで高めている、それはまさに日本でしか発信できない部分だし、それは元々オリンピック憲章に書かれていることであると。是非、そのオリンピック憲章そのものを日本から発してほしいということをいろんな方に言われました。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックがそういう意味でもオリンピックそのものの歴史の転換期となるような、非常に意識的にも精神的にも昇華された、レベルを上げた、そういう大会になるような企画を是非、招致もオールジャパンでありましたけれども、これからもオールジャパンで取り組むことによって世界に発信すると、そういうイベントになるような、そして同時に、それが新しい日本をつくっていく方向性になるような取組をしてまいりたいと思います。
 
 
○橋本聖子君 大臣、ありがとうございます。大変力強いお言葉いただきました。
 私たちスポーツ界は、やはりスポーツで終わることがないようにしていかなければいけないというふうに日ごろから思っているところです。今まではいろいろな産業の中にスポーツが付随してきたというような状況であると思うのですけれども、これから私たちがやはりしっかりとした意識の改革をしながらやっていかなければいけないことは、スポーツというものを中心として、環境ですとか、観光であったり、あるいは医療や科学技術、そして教育、そういったものにどれだけスポーツが中心となってその潜在力を発揮することができるかという、そういった姿を描いていくことができたらなというふうに思っております。
 あの東日本大震災の直後、私たちスポーツ界は非常に一時戸惑いました。スポーツなんてやっていていいのだろうかということを言い出す方や選手たちもおりました。でも、逆に、その選手たちが自ら自分たちの立場、あるいはいろいろな思いを持って被災地に行き、そして子供たちや被災地の皆さんとスポーツを通じた触れ合いの中で、スポーツの持つ力というものはこんなにも偉大だったんだ、子供たちに大きな希望を届けることができるんだということで、私たちスポーツ界は被災地やあるいは震災ということからスポーツのすばらしさを自分たちが教えていただいたというような状況でありました。そして、その思いでロンドンにてあれだけの結果を残すことができたのではないかなと思います。
 そのスポーツというものをある意味で気付かせていただいた私たちだからこそ、これから二〇二〇年に向かって、そしてその先の日本にどういう影響力をスポーツ界が持っていくようなことができるのか、これをしっかりと試されるときだというふうに思っています。
 東日本の大震災を乗り越えていくその姿というのも是非見ていただきたいというお話もありましたけれども、今この自然災害というものが、地球規模で考えますと、地球温暖化も含めまして大変な災害がこの地球上に襲いかかっています。世界各国の、地球規模で考えていく中で、一年間に各国の自然災害においての復興費だけでもう四十から五十兆円以上掛かっているということの報告がオリンピックのロビー活動を通じていただくことができましたけれども、ただ単に日本がこの東日本大震災ということを乗り越えていくだけにとどまってはいけないんだ、期待をされているんだと思います。
 もっと大変な、国の半分以上がなくなってしまう、あるいは国がもう二十年後、三十年後には海の下に行ってしまうのではないかという危機感を持っている小国があるわけですけれども、そういうような国に対して、日本が東日本の大震災を乗り越えていくと同時に、さらに何を諸外国に対して発信することができるのかということも非常に期待されている部分だと思います。エネルギー問題を乗り越えた、あるいは原発の問題も乗り越えていくということももちろんであると思うんですけれども、我が国が東日本大震災を乗り越えたという姿だけではなくて、乗り越え方がどのようなものなのかということ、そして、それから国をつくっていくということはどういうことであるかということの、やはりそういった経験を世界各国に示していくという姿がこれからの日本に求められていくことが、大きな期待を持たれている部分ではないかと思っています。
 そのことも踏まえながらなんですが、やはりオリンピックというのは、それだけ国として大きな目標を掲げることができるという上においてのイベントとしては世界最大のものだと私は思っているのですけれども、その世界最大のイベント、これは遡ってみますと、原始オリンピックというのが紀元前三〇〇〇年からありました。また、紀元前七七六年から古代オリンピックが約千年続いた歴史があります。そして、それをもう一度、ただ単にスポーツの祭典ではなく、この地球を平和というものに導いていくためにはもう一度オリンピックを復活させるべきだというクーベルタン男爵の導きがあって、今のこの近代オリンピックがスタートをして百十数年の歴史を重ねることができてきたということであります。
 やはり、こういうスポーツの祭典を超えた一つの大きな平和への取組というのが一番期待されているのがオリンピズムだというふうに思うのですけれども、こういったオリンピックムーブメント、オリンピック教育というものに関して、やはり私たちも活動の中で学校教育の中に入っていきたいと思いながら、ボランティア活動の中で心の教育という意味において活動させていただいているのですけれども、学校教育の中でこのオリンピック教育というもの、オリンピックムーブメントというものをこれからどのように大臣はとらえていこうというふうにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
 
 
○国務大臣(下村博文君) 現行の学習指導要領における保健体育科で、中学校ではオリンピックや国際的なスポーツ大会などは国際親善や世界平和に大きな役割を果たしていること、高等学校ではオリンピックムーブメントについて新たに取り扱うこととされたばかりでございまして、具体的に、中学校では第三学年で三こま以上、高等学校では一年時に六こま以上行うとされている体育理論の授業の中で指導がなされるということになりました。今般の二〇二〇年の大会開催決定を踏まえ、子供たちがオリンピックの役割等について、様々な発達段階において一層理解を深めることが有意義であるというふうに考えられます。
 これまでの東京、札幌、長野でのオリンピック大会の開催に際しては、オリンピック読本を作成してきたところでありますけれども、今後、オリンピック運動について、体育の授業を始めとした様々な場で学ぶことができるよう、関連教材の作成、その取組、またロンドン・オリンピックでも若い人たち中心に五万人を超えるボランティアが活動したということでありますが、私のところにもいろんなところからボランティア活動を是非協力したいという教育関係者が来ております。こういうことを通じて、オリンピック精神だけでなく、直接、間接的に世界中のアスリートのいろんな支援をしながら、ボランティア活動といいますか、日本的に言うとおもてなし隊といいますか、語学力も身に付けながら、そういうきめの細かな対応、感覚も養うような、そういう教育も併せて国民運動として広げていきたいというふうに考えております。
 
 
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 教材の開発というものも今しっかりとしていただいているということでありますけれども、そういう教育の場にオリンピアンですとかそういった経験者を是非また一つの教材としてといいますか、利用していただいて、共に子供たちの教育の現場で活用していただくということは、一つの大きな人材育成にもつながり、そしてオリンピック委員会としてもセカンドキャリアにつながっていく大きな一つの財産にもなろうかと思いますので、その点についても是非御協力をお願いしたいと思います。
 オリンピックムーブメント、オリンピック教育というのは、ただ単にフェアプレーの精神ということで、前に進んでいくという大きな目標を掲げていく取組でもあるのですけれども、一方で、大事なことは、最近特にドーピングコントロールですとか、負の遺産もたくさん引きずってきたスポーツでもありますので、そういった一つの大きなフェアプレー精神というものを教える上においても、クーベルタンの提唱してきた平和活動というものは非常に大きな教育への意味を持つと思いますので、是非お願いしたいと思います。
 今回、ソチのオリンピックが来年二月から開催をされますけれども、是非総理にも、そして大臣にもオリンピックの開会式に行っていただきたいと思っております。世界各国の国家元首が集まられますし、オリンピック委員会の、IOCの理事がほとんど集まられます。二〇二〇年のオリンピック決定を決めた直後のオリンピックに、総理そして文科大臣がお越しをいただいてお礼をしていただき、そして二〇二〇年への取組というものをお話ししていただくだけでもすばらしいつのおもてなしになると思いますので、お願いしたいと思います。
 人間力ということ、今回の大会で、私は、団長を務めさせていただくのですけれども、一つの大きなテーマは、オリンピックのメダルを取るということはもちろんなんですけれども、一番大切な今回のテーマは、人間力なくして競技力の向上なしということをテーマに掲げて日本選手団を率いていきたいなと思っております。それにふさわしい選手強化というものと同時に、選手一人一人がしっかりとしたオリンピック教育が受けられていなければ学校現場の一つの大きな教材にはならないと思いますので、その点も踏まえて、私たちもしっかりと人材育成をしていきますので、大臣も是非御協力、御指導を賜りたいというふうに思います。
 
   〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕
 
 その上において、やはり何といっても人間力、人間力は、子供たちに夢と希望を与えるのにはやはり大きな結果を出すことが全てだと思っているのですけれども、その強化に対して、やはりこれから石井先生もお話ありましたスポーツ庁の設置ということであります。トップ選手というものを育てていく環境整備というのはもちろん必要なんですけれども、これからスポーツが、スポーツ庁というものを設置した場合に、どの分野まで請け負うことになるのかという構想を是非お聞かせいただきたいと思います。
 これからは健康産業、大変大切でありますから、スポーツと食あるいは医療、先ほども医療費の抑制というお話も大臣からお話がありましたけれども、そういった観点から見て、医療というものに対して、あるいは環境や観光というもの、スポーツ庁がどこまでの分野でその取組をしていくのかということと、やはりこれからの設置に向けた準備というもの、また設置される時期ですね、そういったものも含めてお聞かせいただきたいと思います。
 
 
○国務大臣(下村博文君) まず、ソチ冬季オリンピックですが、ちょうど国会の予算委員会、衆参予算委員会に重なる可能性が大変高いんですけれども、是非これは国会のお許しをいただいて、総理、そして私がこの大会に出て、世界中からIOCメンバーがほぼ全員来られているというふうに思います。ブエノスアイレスのときのいろんなつながりの中で、二〇二〇年に向けて日本がどんな準備をこれからしようとしているかと、それまでには組織委員会もほぼでき上がるというふうに思いますし、そういうことも含めてお許しを願うように、これから改めてまたそのときにはお願い申し上げさせていただきたいと思います。
 スポーツ庁の設置でありますが、御指摘のように、特に今度、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、東京開催が決まったということも受けて、これから我が国のスポーツ施設について、スポーツを通じた健康、福祉それから医療分野への貢献という裾野の広い地域スポーツの振興等々、あらゆる部分での様々な付加価値を考えていく必要があり、その上でスポーツ庁の設置を考える必要があるのではないかというふうに思います。
 文部科学省でも、前の福井副大臣のとき、これは私が昨年大臣拝命したときに総理からこのスポーツ庁の設置について項目として指示を受けておりましたので、一定の結論はこの八月につくったんですが、しかしその後、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックも決まったと。また、橋本委員が中心になってされている超党派の推進議連の方でも、このスポーツ庁設置のためのPTをこれからつくって検討されるということでございますし、スポーツ議連の方でも幅広い中でのスポーツ庁の位置付けを考えていただくということでございます。
 改めて、文部科学省の中でも、櫻田副大臣の下にタスクフォースを設置しまして、今後、スポーツ基本法の理念が実現されるとともに、スポーツ施設の付加価値を最大限高められるようなことを超党派のスポーツ議連と連動しながらやっていきたいと。しかし、できるだけ早期の設置を目指したいと考えておりまして、その枠組みや方向性については議連と相談しながら、省内においてもできるだけ早めに方向性を明らかにしていきたいと思いますが、是非幅広く、意欲的な中で、これから国民全体にプラス影響を及ぼすようなスポーツ庁ということについて是非設置を考えていきたいと、今検討をしているところであります。
 
 
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 もちろん議連として、あるいはスポーツ界という現場を持つ者の一人として、スポーツ庁の設置に向けた提案というのもこれからJOCもしっかりと示していきたいと思います。
 何よりもやはり大事なことは、スポーツ庁ということになりますと大変大きな組織になると思うのです。そのときに、スポーツというものにとどまることなく、やはり大きな意味で、スポーツが持てる力をどのように発揮していくのかということ、それがひいてはこれからの日本のスポーツ文化力の向上につながっていき、そしてそれが人づくりというものにつながっていく大きな力になると思っておりますので、そのことも含めてしっかりとまた提案をさせていただきたいと思います。
 その中で、よく文科省のオリンピック、厚労省のパラリンピックということを言い続けられていましたけれども、世界はもうかなり前から一つの省庁であるんですが、いち早くパラリンピックに関してはオリンピックの方と連動して動いていただいたということを本当に有り難く思っております。
 十月の七日だったと思いますけれども、政府のオリンピック・パラリンピック東京推進室がパラリンピック委員会と障害者スポーツ協会との懇談の中で求められたことは、一日も早く諸外国に並ぶようなパラリンピックの選手のためのナショナルトレーニングセンターというものを設置していただきたいという要望がありました。
 やはりこれからスポーツそしてパラリンピックというのは、やはりこれからの健康産業というものに対して大きな指針を示す部分においては、この取組というのは国としてやっていくべきなのだろうと思います。今障害を持っていなかったとしても、年齢とともにやはりそれは一つ一つの障害になっていき、そして国としてバリアフリーというものをしっかりと築いていく第一歩にもつながっていくのだろうと思います。
 そういったナショナルトレーニングセンターの障害者に対しての施設というものに対しては、大臣、どのようにこれから計画をされているか、お聞かせいただきたいと思います。
 
 
○大臣政務官(冨岡勉君) ただいまの橋本委員の質問にお答えいたします。
 確かに、このナショナルトレーニングセンター、身体障害者あるいは障害をお持ちの方に対するセンターが必要だということは我々も十分に認識しているところであります。私自身も先般、オリンピックのナショナルトレーニングセンターを見学した際に、やはりパラリンピックに対するナショナルトレーニングセンターも必要ではないかという、自分自身でも質問をしたところでありました。したがいまして、日本パラリンピック委員会等で競技専用のナショナルトレーニングセンターなどの設置を要望されていることは我々も十分承知しているところであります。
 しかしながら、やはり障害者に対するパラリンピックのトレーニングセンターについては、身近なところにやはり多数設置していただきたいとか、あるいは医療との連携を図っていただきたいとか、そういう意見も多数いただいております。したがいまして、現在あるオリンピックに対するトレーニングセンターの活用をパラリンピックでも図ることを推進しながら、その存在、そして、どのような形でやっていけば、運用していけばいいか等は、アメリカあるいは韓国、オーストラリア等の先進国の事例を勘案しながら今後十分検討していきたいと思っております。
 以上でございます。
 
 
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 最高峰の選手を育て上げるためのナショナルトレーニングセンターというのは一つ必要なんですけれども、やはり一番大切なことは、韓国やあるいはアメリカ、ロシアといったスポーツ先進国においての施設を見ましても、中心となるナショナルトレーニングセンターというのはしっかりとあります。国が広いということもあるんですが、ロシアに行きますと、もう数十か所において国立の体育学校があり、そしてナショナルトレーニングセンターの機能を持つそれぞれの、今、日本でもやっていただいております競技別拠点というものをしっかりとつくり上げていただいているのです。
 そういうことを考えると、障害を持った方たちというのは移動も困難な部分がありますので、地域の医療というものとどう連動して、新しいこれは第三次産業につながっていくものだと私は思っています。地域の医療と障害者スポーツというものの取組の施設、こういったことを拠点拠点でつくっていただくというような考え方というのは、私は、是非これから新しい産業の取組としてもやっていただければ、またさらに底辺の拡大が頂点の強化につながっていきますので、お願いをしたいと思います。
 トレーニングセンターの話が出ましたので、ちょっと半分質問通告にはありませんけれども、是非お願いをしたいことがあります。
 ちょうど大臣も高山に先日行っていただきましたけれども、私、その前日に飛騨高山の高地トレーニングセンターを視察させていただきました。千三百から二千二百までの壮大なエリアで四か所、五か所ということで、高山市と下呂市、そして岐阜県、これが大変な努力をされてナショナルトレーニングセンターの機能を自分たち自らつくっていこうという取組をしていただいておりました。
 
   〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕
 
 日本ではなかなかそういう、高い山はあってもそこの部分で平地でトレーニングをするということは非常に日本の国土上困難な状況なのですけれども、目指すはコロラドスプリングスですとかボルダーですとか、そういうようなトレーニングセンターを飛騨高山では大変大きな、民間も巻き込みながら努力をされて、そしてただ単に合宿ですとかそういったことだけに来てもらうということではなくて、地元の食であったりあるいは温泉であったりということで、医療にも絡めながら大変壮大なスケールの中でトレーニングセンター機能を持っていきたいという努力をしておられます。
 日本でもこれから競技別拠点というのをたくさん増やしていただいて、健康と食というものに結び付けていくムーブメントが必要だと思うのですけれども、これから日本も高地トレーニングのトレーニングセンターというのはNTCとして必ずこれはつくり上げていかなければいけない部分だと思うのですけれども、大臣は高山に行きましてどのように感じられたか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
 
 
○国務大臣(下村博文君) 私は、橋本委員の行かれた次の日に高山へ行ったものですから、現地視察は時間的にちょっとできなかったんですが、関係者の方々とちょっと食事しながらその辺かなり詳しい話をお聞かせ願いまして、高地トレーニングのために日本の選手が今の御指摘のアメリカへ行ったりあるいは中国に行ったり、また水泳選手も特に肺活量を増進させるために高地トレーニングが有効だという中で、それだけのことを考えたら日本に一か所ぐらいは確かに必要ではないかということをそのときも感じました。
 同時に、五十メートルプールを高地に是非造ってほしいという要望もそのときに受けましたので、早速、プールも含めた高地トレーニングというのがどの程度予算的に可能で、また造るとしたら高山を含めてどういうところで造れるのか。また、これはまさにJOCの強化本部長でもありますから、橋本委員やあるいはスポーツ関係者の方々とよくお聞きしながら、我が国にとってよりスポーツを強化するための高地におけるトレーニングセンターの在り方はどうなのかということについて検討しながら、これから考えていきたいというふうに思います。
 
 
○橋本聖子君 今、各地域で、二〇二〇年が決まりました、言わばそれ以前に七年間は少なくても選手たちが来て、そして合宿をするということで、合宿招致合戦のようなものもかなりエスカレートしてきています。私は、その合宿ということだけで終わっては結局オリンピックバブルに終わってしまう国だと思っているんです。
 やはり飛騨高山のように特色を生かして、地域の方たちにもある意味で利用していただき、スポーツというものと食と医療と観光とを結び付けて、これからの二〇二〇年以降の地域の力にどのようにつなげていくかというところの努力をどんどん各地域で引き出していくことも国として必要ではないかというふうに思っておりますので、また是非御指導いただきたいと思います。
 もうあと時間が少しになりましたが、今オリンピック委員会として絶対的に必要なのは、やはり国際競技力と国際人の養成、これはもう不可欠なんですけれども、一つはタレント発掘、そして競技力向上への予算の増加ということ、指導者の発掘と育成、そしてスポーツ医科学、分析技術、これは日本では相当高いレベルになっているのですが、何よりも予算が諸外国に比べて少な過ぎるということがネックになっています。
 そして、国際競技大会への出場ですとかあるいは招致、そして高度な技術を持つ施設の提供とマネジメントスタッフの雇用と育成、そして監査と継続的な改善、そして何よりも最新の用具テクノロジー、IT情報、そして国際ネットワーク、大学や民間との連携ということで、挙げれば切りがないのですけれども、その中で、どうしても一つ一つの予算が限られてしまっているというのが強化につながっていかない部分であるのです。
 一つ日本が大変誇っているものというのは、何といっても世界最高の技術力だと思うのですけれども、日本では今、そういった用具の開発ですとかウエアの開発ということになりますと、マルチサポートで今やっていただいてはいるんですけれども、世界に比べると大変まだまだ乏しい予算なんです。今、用具の開発やウエアの開発一つにしましても、その最先端の技術力は持ちながらも、今、日本の現状は各スポーツメーカーに任せているというような状況なんですね。これを是非、これからの新しい産業の開発ということも含めながら、日本が力を入れると世界最高のものになります。先日、ボブスレーのそりを、町工場の皆さんのに技術を結集していただいて作り上げました。これは実は世界一になることなんですね。
 そういったことを含めると、新しいスポーツ産業に日本がどれだけ力を入れていくかということも大切な分野になると思うのですが、大臣、いかがお考えでしょうか。
 
 
○国務大臣(下村博文君) 大変重要な御指摘だと思います。
 これから二〇二〇年ですね、東京オリンピック・パラリンピックが決まったということで、招致もオールジャパンですけれども、日本は例えばスポーツなんかも、一人一人の身体能力は諸外国の人に比べて劣っていても、チームとして成ったときには大きなパワーになると。これ、サッカー女子のなでしこジャパンはまさにそれを象徴していたのではないかというふうに思いますけれども。
 そういう意味で、これからこのオリンピック・パラリンピックをきっかけに、まさにオールジャパンとしてスポーツに取り組むということは、スポーツや健康分野における産業の育成とともに、健康福祉の部分からも逆に医療費の削減にもつながっていくし、また日本は世界で一番の長寿大国ですが、その長寿大国とそれから健康長寿が重なると、人生の最後の何年間を病院で寝たきりで暮らすことがないようなことをできるかどうかは、これはもうスポーツや健康における依存というのは大変高いと思うんですね。そういう発想で今まで取り組んでこなかったというふうに思います。
 ですから、是非この二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに、そういう視点からもう一度スポーツ全体をどう活性化させるかと、それを産業にまでどう広げていくかということは国の活力にもつながってくると思いますし、そういう視点からも是非応援をしたいと思います。
 
 
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 是非お願いをしたいのですが、一つは、やはりどうしても今日は現場からの声で、本部長という立場でどうしてもお話ししてしまうのですけれども、我が国の憲法八十六条において予算単年度主義というのが定められているわけですけれども、そこの部分においては当然国の方針ですから仕方ないということはあるのですけれども、ただ、人を育てるということ、強化をするということに関しては短中長期の計画が必要でありまして、単年度で予算が区切られてしまいますと、選手の強化にどうしてもつながっていかないんですね。
 一ついい例で、ロンドンが、二十数年を掛けた強化なのですけれども、北京オリンピックの前、そして北京オリンピックから今回のロンドンの自国開催までの四年間のスパンで考えた強化なのですけれども、何とイギリスは、四年間選手強化に掛けた予算だけで三百五十億なんです。日本は足下にも及ばない強化費なんですね。
 やはりそういったことを考えますと、平成二十五年度予算において、経済産業省の事業で経済連携人材育成事業、この看護師・介護福祉士候補者日本語研修事業、これは複数年度にわたる契約を結ぶ必要があるということでそういった措置をとられていますが、選手の強化というのはやはり四年間のスパンで計画を立てていかなければ強化につながっていかないものですから、これからスポーツもそういうようなことができないか、是非検討願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
 
 
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、我が国の予算制度は、各会計年度たびに国会で予算の審議を行わなければならないという、いわゆる予算の単年度主義を原則としつつ、多年度にわたって支出すべき契約であって、かつ一体として分割し難いものについては、例外的に、予算の形式により国会の審議を経ることにより、五か年度以内にわたって国が債務を負担する行為をなすことが認められております。こうした国庫債務負担行為を選手強化に活用するという場合は、国庫債務負担行為は初年度に事業内容と債務負担行為の額を確定させる必要があることから、選手強化の進捗状況を踏まえた新たな強化策の打ち出しや予算の柔軟な見直しがかえって困難とならないかといった点についての十分な検討が必要であるというところが出てくるわけであります。
 二〇二〇年東京大会におけるメダル獲得に向けた選手強化は喫緊の課題であり、今後七年間は最優先課題として予算の拡充を図っていくべきだとやはり考えます。二〇二〇年東京大会において我が国のトップアスリートが存分に活躍することができるよう、JOC、競技団体、JSC等と緊密に連携し、現場の実態を十分把握した上で、常により良い方策を目指して検討しながら、効果的な選手強化、予算の確保に努めてまいりたいと思います。
 文部科学省管轄では、科研費等は基金を積み増ししてできるような仕組みがあるわけでありますが、そういうことを含めて、是非これはスポーツ議連の方でも考えていただきながら、また国の方でもそういう柔軟な対応の中で、単年度予算主義と併せて、どう連動させながら二〇二〇年に備えた対応ができるかどうかということについて、関係の皆様方としっかり検討してまいりたいと思います。
 
 
○橋本聖子君 どうもありがとうございます。
 やはり経済の起爆剤の一つになっていくのは、選手がよりすばらしい活躍をしてメダルをたくさん取っていくということが心のやはり復興にもつながり、明日への希望にもつながり、まさに経済の起爆剤になっていくんだというふうに思いますので、ただ単に強化費を増やしてほしいということのお願いに私たちはとどまらずに、スポーツで人を育てるということがいかにこれからの教育やあるいは新しい第三の矢と言われる健康産業というものに結び付いていくかということもしっかりとプレゼンをしながらやっていきたいと思いますので、是非そういった意味において、人づくりの観点から強化費というものを是非諸外国、スポーツ先進国並みに引き上げていただければというふうに思っております。
 やはり、これから私たちがスポーツ文化力を上げて、そしてスポーツが持てる力というものを最大限引き出して、そして二〇二〇年以降がまた更にスポーツ関連の市場が広まっていくような、新しいスポーツ産業の改革にも努めていきたいと思っております。
 一九九〇年以降、十兆円以上になるのではないかと期待されたスポーツ関連市場なんですが、今は半減してしまいました。それはやはり景気が低迷してしまったということもあると思うのですけれども、これをまた十兆円規模に乗せていくには、二〇二〇年を一つの大きな目標として、それ以降の生き方をしっかりと示していくことが必要であると考えます。その一つがスポーツに担わせていただけるのであれば、しっかりと期待にこたえていきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。

ページトップへ戻る